経口補水液について知ろう!運動時の正しい水分補給
- cashregisterpluson
- 6月26日
- 読了時間: 5分
お世話になっております。院長の佐野です。
暑くなり、運動での熱中症が増える時期になってきました。
最近聞かれる経口補水液(OS-1など)についてまとめてみました。
経口補水液とはなんなのか。暑いときに飲むものなのか、
そんなことをお話していきます。
経口補水液とは何ですか?
経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)は、
体内の水分と電解質を効率的に補給するために開発された飲み物です。
WHO(世界保健機関)の基準に基づいて作られており、水分の吸収率を最大化するように糖分と塩分の濃度が調整されています。
主な成分は以下の通りです
ナトリウム(塩分)
カリウム
ブドウ糖
水
これらの成分が小腸での水分吸収を促進し、脱水症状を素早く改善します。
どんな時に飲むべきですか?
運動中・運動後
激しい運動で大量の汗をかいた時
長時間の練習や試合の後
熱中症が疑われる時
体重の2%以上の水分を失った時
→体重60㎏なら1.2㎏ 40㎏なら0.8㎏が運動後に減少しているようなら脱水傾向にあります。
日常生活で
発熱時
下痢や嘔吐がある時
食欲不振で食事が取れない時
高齢者の水分補給として
二つとも、脱水があるかどうかで判断することが多いと思います。
消化器官の不調で水分が多く排泄されることで体内バランスが崩れます。
経口補水液は身体にはやく吸収される利点があるので脱水症状の場合は取り入れます。
注意が必要な場面
軽い運動の後は経口補水液よりスポーツドリンクや水で十分な場合もあります
予防的に経口補水液を飲む場合は薄めて使用することも検討しましょう
ただし、日常的にずっと飲むものではありません。
どんな効果がありますか?
即効性のある水分補給
経口補水液は普通の水よりも早く体内に吸収されます。
これは糖分と塩分の絶妙なバランスにより、小腸での吸収が促進されるためです。
電解質バランスの回復
汗とともに失われるナトリウムやカリウムを効率的に補給し、筋肉の正常な働きを維持します。
・熱中症予防・改善
体温調節機能の回復をサポートし、熱中症の予防や症状の改善に役立ちます。
・疲労回復の促進
適切な水分と電解質の補給により、運動後の疲労回復を早めます。
※基本的には、健康な状態での日常的な摂取は推奨されません。
理由
塩分濃度が高いため、過剰摂取により血圧上昇のリスクがあります
必要以上の電解質摂取は腎臓に負担をかける可能性があります
カロリーも含まれているため、肥満の原因となる場合があります
適切な使用方法
脱水症状がある時のみ使用する
予防目的なら水やスポーツドリンクを選ぶ
医師や栄養士の指導の下で使用する
スポーツドリンクとの違いは?
項目 | 経口補水液 | スポーツドリンク |
目的 | 脱水症状の治療・改善 | 運動時の水分・エネルギー補給 |
塩分濃度 | 高い(0.2-0.3%) | 低い(0.1-0.2%) |
糖分濃度 | 低い(1.5-2.5%) | 高い(4-6%) |
浸透圧 | 体液とほぼ同じ | 体液より低い |
味 | 塩味が強い | 甘くて飲みやすい |
使用場面 | 脱水時、体調不良時 | 日常の運動時 |
価格 | 高め | 比較的安価 |
経口補水液を選ぶべき場面:
明らかに脱水症状がある
熱中症の疑いがある
体重の2%以上減少している
医師に勧められた場合
スポーツドリンクを選ぶべき場面:
日常的な運動時
予防的な水分補給
長時間の運動でエネルギー補給も必要
子どもの水分補給
目的と状況に合ったドリンクを選択しましょう!
まとめ
例年のような異常気象が続いている夏では脱水による危険性が高まります。
脱水は激しい運動だけでなく、屋内での作業や湿度の高い室内でも起こりえます。
いつの間にか脱水症状にかかったり、就寝時に熱中症になってしまうケースも珍しくありません。
適切なエアコンの使用、脱水対策として水分摂取を第一に。これからの暑い夏を乗り切りましょう!

参考文献・ソース
1. WHO(世界保健機関)の基準
WHO/UNICEFの2003年改訂版では、水1リットルに対して、ブドウ糖13.5g+クエン酸三ナトリウム二水和物2.9g+食塩2.6g+塩化カリウム1.5gという組成を紹介しています
2. 政府機関・公的資料
消費者庁「特別用途食品」に関する規定
特別用途食品として食品を販売するには、その表示について消費者庁長官の許可を受けなければなりません(健康増進法第43条第1項)
3. 医療機関・製薬会社の資料
オーエスワンは、脱水症のための食事療法(経口補水療法)に用いる経口補水液です。脱水症でない方が、普段の水分補給として飲用するものではありません
体液とほぼ同じ浸透圧なので吸収がとても速い
4. 医学文献・専門資料
ナトリウム:ブドウ糖比が約1:3(45mEq/L[45mmol/L]のナトリウム対140mmol/Lのブドウ糖)であるものの効果的である
小腸では、Na(ナトリウム)は、ブドウ糖(グルコース)などと共に、細胞内に吸収されます。Naの吸収と共に、水も吸収されます
5. 栄養学的根拠
経口補水液(Oral Rehydration Solution;以下ORS)に用いられる糖はぶどう糖が基本ですが、腸管から吸収が良いとされるぶどう糖濃度に調整したORS
100mlあたり3g以上の濃度だと吸収速度が遅くなる
注意事項
本記事の医学的情報は一般的な知識を提供するものであり、個別の医療判断に代わるものではありません。具体的な症状や治療については、必ず医師にご相談ください。
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